裁判傍聴 ブログ 「ドラマよりもドキュメンタリー」

空いた時間にフラッとプチ傍聴

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過去の大国「ニッポン」(前編)

過去の大国「ニッポン」(前編)

目を閉じたまま椅子の背もたれにゆったりと凭れ、
一見眠っているかのように見えるボブカットの検事。
しかしよく見ると眉間には、くっきりとした皺が寄っている。
まもなく控える開廷に向けて考えごとをしているようだ。

一方、無駄にたまご肌を見せつける10代の駆け出し弁護士はというと、
ポータブル六法全書を片手にこちらも公判の予習をするなど余念がないようだ。

そうこうしているうちに被告が法廷に入ってきた。
明らかに大韓民国籍といったその顔からは既に涙が光っている。
<a href=”http://unicowns2.jugem.jp/?cid=10″ target=”_blank”>この前に書いた</a>フィリピン人の時もそうだったが、
どいやら不法入国組は、入廷時に涙ぐむことが決まりとなっているようだ。
そんな白けた思いに耽っている間に、ボブ検事からの起訴状の朗読がはじまった。

被告は韓国籍を持っている。現在50歳。
日本には上陸手続なしで不法に在留したことにより、逮捕・起訴されている。
捕まる直前までは洋品の検品などをして生計を立てていたそうだ。
被告は平成2年に日本人男性と婚姻するために入国したが、その1年後にあえなく離婚。
過去に1度強制退去させられている。
しかし、韓国に戻った直後に日本で働いた方が金になると考えて、
ブローカーより他人名義のパスポートを入手し、入国したとのことだ。
よって、今回は出入国管理及び難民認定法違反という罪に問われている。

それにしても、ボブ検事の朗読には迫力があった。
というのも、まるで宝塚の男役であるかような低音で、また堂々としたものであった。
その顔も注意して観察すると非常に端正であり、
もしかすると宝塚音楽学校の卒業生ではなかろうか。
そうすると可能性として、公判中もミュージカルみたいになる・・・わけはないよね。

公判は、被告とたまご肌弁護士が、宝塚検察による起訴事実をすんなりと認め、
そのまま証拠調べに進むこととなった。
証拠調べでは、予習に余念のないたまご肌からの被告人質問が控えている。

 

過去の大国「ニッポン」(中編)へ続く

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