裁判傍聴 ブログ 「ドラマよりもドキュメンタリー」

空いた時間にフラッとプチ傍聴

3

その男、凶暴につき(前編)

その男、凶暴につき(前編)

UNICOの目の前にいる大男である被告は、
高校卒業後に建設、建築業を転々とし、現在勤める建設会社にたどり着く。
被告には離婚歴があり、現在娘2人と同居している。

被告には前科があり、計5犯。
うち今回起訴されている脅迫と同種の犯行が2件ある。
前刑は、家の近くで工事をしていた音がうるさいことに腹を立てて、
工事車両であるクレーン車をめがけて2Fから鉄アレイを投げたらしい。
そして今回、脅迫に傷害を引っ提げて、再び法廷へと舞い戻ってきたわけである。

一体この度は、どんな凶暴な行為をふるったのだろうか。

2つの罪に問われているので、まずは傷害罪より。
高校生になる次女がアルバイトへ行くようになり、その帰宅時間が遅くなっていた。
そして事件の当日は、次女の帰宅時間が頗る遅くなっていた。
そこで次女が帰宅するや否や、業を煮やした被告が、
いきなり玄関において、次女を手の平で頭部を数回殴打する。
先ほど書いたが、この被告は大男である。
男であるUNICOでも、被告に殴られたら間違いなくうずくまるであろう。
しかし、この被告の怒りはこれではおさまらない。
うずくまっている次女に対して、更に顔や腕を数回蹴り飛ばしたところ、
次女がその勢いで玄関ドアに左ひじをうち、出血した。
診察の結果は、加療1週間。ただ事件から1か月以上経過した
今も未だ完治はしていないとのことだ。
そして、殴打された次女はそのまま家を出て行ってしまい、
そのまま帰宅することがなかったとのことだ。

次女の気持ちが痛いほど理解できる。
恐らくは、危機管理能力が働いたのだと思われる。
あの大男の被告が怒っているのならば、生命の危機を感じたとしても、
決して過言ではなかろう。

次に脅迫罪はというと、
被告が何か食べようとして路上を歩いていたところ、
客引きをしている中国人の被害者(37歳)から声を掛けられる。
よくある話だ。
しかし、被告は声を掛けられるや否や、
いきなり「中国に帰れ!」などと言いながら、
ワイヤー錠を振り上げながら被害者を追い回し、
危害を加えかねない様な行為を取ったというもの。

のちに被告の供述には、
「連日の中国に対する報道を見て、悪い感情を持っていたのに加えて、
家庭内のうさも重なっていたため、イライラしていたためにやった」
とのことだった。

被告に丸腰で目の前に立たれただけでも十分迫力のある被告が、
武器を携えて、追っかけてくる絵を想像しただけで十分にホラーである。
その男、凶暴につき(中編)に続く

« »

コメント