裁判傍聴 ブログ 「ドラマよりもドキュメンタリー」

空いた時間にフラッとプチ傍聴

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いざ判決の時 ~出入国管理及び難民認定法違反~

いざ判決の時 ~出入国管理及び難民認定法違反~

被告は、パッと見た感じ西アジア系の方かと思う風貌であったが、
国籍は、意外にも隣国の中華人民共和国とのこと。
中国も多民族国家なのだろうか。

被告はどうやら就労目的で、およそ12年前に不法入国をし、
およそ今までの期間を滞在していたらしい。
よほどうまく警察の目を掻い潜っていたのであろう。

ただ被告は、今からおよそ16年前にも同じ就労目的で不法入国をし、
この時は僅か2か月で逮捕、
懲役1年、執行猶予5年の判決が下り、
そのまま強制送還となっている。
今回も執行猶予がつくだろうか。

さぁ、いよいよ判決だ。
一瞬法廷内が静まりかえる。
+ + +
主文、被告を懲役1年8ヶ月に処する。
このうち未決拘留日数30日は刑期に算入する。
+ + +
さすがに2度目の不法入国、
10年を超える長い滞在日数を犯した被告に対しては、
同情の余地がないようだ。
裁判長も判決理由の中で、
「就労目的を理由に情状酌量を訴えていたが、
それを汲む事情にはならない」とバッサリ。

閉廷後、法廷警備員に連れて行かれる前に、被告が通訳に話し掛ける。
「裁判長、言いたいことがあります」と通訳者が告げる。
「ここで聞くことはできません。
何かありましたら弁護人と相談してください」と切り捨てる裁判長。
そして、裁判長のその言葉を聞き、
無表情でそのまま立ち去ろうとするたまご肌弁護人・・・。
こうして、被告は自分の言いたいことも告げられず、
無念のまま連行されるのだった。

ただその様子を横目で確認し、たまご肌弁護士も法廷を後にする。
恐らくこうして被告の言い分は捨て置かれるのであろう。

確か以前にもこのたまご肌弁護士を見た覚えがある。
この時も同じ不法入国を扱っていたので、
これを専門としている弁護士なのだろうか。

UNICOもそのまま退廷すると、
前には、たまご肌弁護人と通訳者とが笑顔で話しながら
エレベーターに乗り込むところだった。
その姿を見送りながら、何か割り切れないものを感じるUNICOであった。
(了)

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