裁判傍聴 ブログ 「ドラマよりもドキュメンタリー」

空いた時間にフラッとプチ傍聴

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若き落日(中編)

若き落日(中編)

若い被告たちが検察から起訴された事実は、おおよそ以下の通りだ。
被告たちは3つのサイトを運営してエロDVDを販売していたとされるが、

①被告らが運営するAのサイトを通してエロDVDを購入した顧客から
DVD3枚を押収し再生したところ、わいせつな内容のDVDであった。

②被告らが運営するBのサイトを通してエロDVDを購入した顧客から
DVD47枚を押収し、うち3枚を無作為抽出し、
再生したところ、わいせつな内容のDVDであった。

③被告らが運営するサイトを通して注文のあった顧客に対して、
DVDを郵便局より発送したものとして、その荷受証が確認された。

④被告らが運営するCのサイトを通してエロDVDを購入した顧客から
DVD87枚を押収し、うち3枚を無作為抽出し、
再生したところ、わいせつな内容のDVDであったことが確認されたとのこと。
+ + +
起訴状の朗読が終わり、裁判長からそれぞれの被告に対して、
公訴事実を認めるか、否かを問う質問が投げかけられる。

これをあっさりと認めたのは、あごひげ店長&ミスター公務員ペアとモアイ親子の2組。
残りの主犯であるマッチ棒&乾いた弁護士ペアとGジャン店長&若手もっさりペアは、
①と④については認めるも、②は概ね認めるとし、③については確認が必要とし、
今日の公判では一部留保としたのだった。

マッチ棒、あごひげ、Gジャンとその弁護人ら6人が、
続きは次回公判以降に持ち越すこととして、早々に法廷を後にした。
そして法廷に残ったのは、早く刑を確定させたいと訴えるモアイ親子だけとなった。

早速証拠調べとして、弁護人の立証説明が行われるも、
親モアイはやる気がないため、大した備えがない。
早々に被告人質問となった。

「犯行のすべてを認めますか」
顔に似合わず柔和な語りかけだ。
「はい」
「どうです、悪いことをしたと思ってる、うん。
大したことはしてないとか思っていない?」
「いいえ」
どうやら親モアイの特技は誘導のようだ。
「今の気持ちはこの反省文に書いている通りだね、これは自分で書いたの?」
「はい」
「まぁ反省していると・・・。
問題は今後どうするかだねぇ、DVDは高く売れるのでまたそっちにいかない、うん?」
「身内は姉だけなのですが、今は一緒に住んでいて、姉に迷惑を掛けていますので、
今後はちゃんとした職業についてコツコツと頑張っていきたいと考えています」
素晴らしく模範的な回答だ。
「具体的にはどうやって探すの?」
「新聞広告やハローワークへ行って、きちんと就職活動をしたいと思っています」
「20歳とまだ若いし将来がある訳だしそれがいいねぇ」
「はい、ずっと悪いことばかりもできないので」
「現在は姉と一緒に生活しているとのことですが、お母さんは?」
「およそ1年前に亡くなりました」
「そう、お姉さんの職業は何をやっているの、うん?」
「派遣の仕事です」
「具体的にはどんな仕事?」
「化粧品を作る工場で働いています」
「炊事はどうしてるの?」
「早く帰ってきた方がやることになっていますが、大体は姉がやってくれています」
「今後収入は減ると思いますが生活費はどうするの?」
「家賃は元々折半しています。全て込みで1人3万円程度ですので何とかなると思います」
「お姉さんとの仲はいいの?」
「いいです」
「姉に情状証人をお願いしたのですが、なしのつぶてだった・・・。
勾留中に面会には来てくれたの?」
「手紙を自分から出さなかったので・・・迷惑を掛けたくなかったので」
「終わります」

親モアイの被告人質問での立証趣旨は一体何だったのだろうか。
う~ん、よく分からない。

 

若き落日(後編)へ続く。

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