裁判傍聴 ブログ 「ドラマよりもドキュメンタリー」

空いた時間にフラッとプチ傍聴

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言葉にできない(前編)

言葉にできない(前編)

法廷に姿を現した被告。
その表情は、どこか困り果てていた。
この憂うる困り顔の被告が今回起こした事件は「傷害」。

起訴状によると、被告人方で妻の言動に立腹した被告は、
妻に対してまずは頭を拳骨で殴り、
その後、インスタントコーヒーの空瓶で頭を殴打し、
そして左肩や顔面、後頭部、腹部を拳骨で殴打したとのことだった。
結果妻は左肩骨折に、頭頂部は打撲と挫傷による出血という大けがを負うこととなった。
その後妻から救急車を呼ぶように促され、病院へと担ぎ込まれたことにより、
今回の事件が発覚した。

被告は起訴状に対して、素直に犯行を認めたため、
そのまま裁判は検察からの冒頭陳述へと進む。
+ + +
被告は中学卒業後、建築業などに勤めるも現在は無職、生活保護を受給している。
これまでに窃盗の前科があるとのことだが傷害の前歴はない。
なぜ被告は、ここまで妻へ暴力を振るったのだろうか。

被告は過去に脳血栓を患い、それ以後思うように言葉が出なくなっていたらしい。
今回の事件のきっかけも、妻と一緒に出かけた帰り道で、
妻から家賃の引き落としの書類の所在について聞かれ、
うまく答えられなかった被告。
そのことで口喧嘩となるも、自分の思いを満足に言い返すことができなかった被告。
そして怒りがおさまらず今回の犯行に及んだようだ。

事件後に被告は、警察の取り調べに対して、
「『薬であんたはぼけているんや!!』『やれるもんならやってみい!!』
と挑発されてカッとなって立て続けに殴ってしまった。
好きな女が生意気な発言をすると腹が立つ」と供述していたらしい。

これまでにも被告は、妻を殴っていたことがあるらしく、
うち一度は尺八で頭を殴り、出血までのケガを負わせたことがあったらしい。
+ + +
う~ん、難しい。
被告の身体を若干考慮に入れても、やはりやり過ぎの感は否めない。
もう少し細かい事情を聞きたいところである。

 

言葉にできない(中編)へ続く

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