裁判傍聴 ブログ 「ドラマよりもドキュメンタリー」

空いた時間にフラッとプチ傍聴

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言葉にできない(中編)

言葉にできない(中編)

腹が立って妻を何度も殴り、大けがを負わせてしまった憂うる困り顔の被告。
ここまでは被告にとって、圧倒的不利な状況である。
この状況を打開するべく弁護人が情状立証として準備したのが、

①被害者(妻)との示談書
②被告の住まいの住居確認
③②の管理元である管理センターへの手紙(賃貸借契約の確認をするため)
④被告が拘置所に居ることの確認
⑤妻が入院している病院からの診断経過
⑥⑤送付の書証
⑦被告が生活保護を受給する際にお世話になった共産党事務員へ証人として
出廷して貰うようにお願いをしたが出廷できない旨の回答書

とツラツラと説明をする弁護人。
他の裁判ではここまで細かな説明はない。
+ + +
そして、細かい弁護人からの被告人質問がはじまる。
「今回の犯行前に、インターフェロンの注射をしていたの?」
「はい」
「インターフェロンの注射をした後、副作用のような症状はありますか?」
「熱が出て、身体がだるい・・・しんどくなる」
「その時の気分は?」
「しんどい」
「その時はイライラするの?」
「イライラします。些細なことでもイライラします。
今回も正直に言ってくれれば辛抱できたのに嘘を吐かれたのが・・・」
インターフェロンの注射がどれほど不快なものか知らないが、
この注射をした人が傷害の罪を犯していたらなかなか怖い世の中である。

「現在はどう思っているの?」
「ケンカしてケガをさせたことには、謝っても謝りきれん」
「現在離婚はしていない?」
「はい」
「もし被害者が復縁、被告のところへ帰ってくるとしたらどうですか?」
「辛抱します・・・インターフェロンもやめようと思っています」
「もし離婚と言われたらどうしますか?」
「しつこくはしない、妻の希望通りにしようと考えている」
「事件後1か月程度経ちますが、被害弁償はしましたか?」
「未だですが、今後分割でもしていきたいと思っている」

「社会復帰後に頼れる人は共産党の稲垣さんだけですか?」
「はい」
「友人は居ますか?」
「深い友人は居ない、知り合いならばいるが・・・」
共産党の人だけが支えかぁ・・・。
選挙前しか支えてくれなさそうだ。

「あなたの病名は何ですか?」
「C型肝炎です」
「未だガン化はしていないのですか?」
「まだしていない」
「おわります」
+ + +
さすが細かい弁護士、質問内容も細かすぎて立証趣旨がぼやけている。
弁護人が立証したかったのは、今回の事件は病気、薬が原因だったと
言いたかったのだろうか。

 

言葉にできない(後編)へ続く

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