裁判傍聴 ブログ 「ドラマよりもドキュメンタリー」

空いた時間にフラッとプチ傍聴

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遠隔操作ではなく、男は黙って実行あるのみ!!(偽計業務妨害罪/前編)

遠隔操作ではなく、男は黙って実行あるのみ!!(偽計業務妨害罪/前編)

昨今、メディアで話題のPC遠隔操作問題。
先日被告が立件されたが、その罪名が偽計業務妨害罪だった。
偽計業務妨害罪というのは、刑法でいうところの
信用毀損罪・業務妨害罪(しんようきそんざい・ぎょうむぼうがいざい)に分類され、
刑法第2編第35章「信用及び業務に対する罪」(第233条 – 第234条)に
規定される犯罪のことであるとのこと(WIKI)。
平たく言えば、他人に嘘をついて、本来の業務遂行を損なわせる行為だ。
その法廷刑は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金と振り幅が広い。
◇  ◇  ◇
UNICOの勝手なイメージであるが、偽計という単語に知的な犯罪を連想していたが、
偽計業務妨害罪に問われている法廷に現れた被告は、
ジャージ姿の梅干しオヤジ、御年70歳であった。
しかも何やらご立腹のようであり、憮然とした表情を浮かべている。
何やら不穏な予感である。

そうこうしているうちに、おばさん裁判長が入廷し、裁判がはじまる。
と思うや否や、縄を解かれた被告がスーッと証言台の前へ行き、
「昨日はどうも失礼なことを言いました」と裁判長へ向かって謝罪しているではないか。
空かさず、裁判長からストップが掛かるもそのまま被告は証言台へ。
裁判長から氏名を聞かれると、
「はいはい、そうですよ」と粗暴な態度を見せ、いきなりの豹変である。
傍聴しているUNICOには訳が分からなかった。

するといきなり被告は、
「ワシは言いたいことがあるんじゃ!!」
とわめきはじめた。
「後で話を聞く時間がありますから」
と制止するおばさん裁判長。
それでも、未だブツブツわめく梅干しオヤジを流して、
クッキングパパ検事からの起訴状の朗読がはじまる。
横にはモグラ検事も控えていた。

被告は、府庁警察本部応接センターに電話し、
「○○検事に会わせろ、●●を連れてこい、そうしないと何百人も殺してやる」
「○○検事を連れてこい、こっちは4年間も▲▲刑務所に入っていたんじゃ!
新幹線をひっくり返すぞ」などと脅迫のTELを入れたことにより、
約2時間にわたって、新大阪駅付近を普段の業務があるにも関わらず35人の機動隊を出動させ、
警戒態勢に入らせ、業務を妨害したことによるものとのことだった。

それを聞いて被告は、
「こちらが言うたことは間違いないが、自分は2つ3つ言いたいことがある。
なぜこのようなことをしたかと言うと・・・」
すると、裁判長から2回目のストップが掛かる。
「ワシの言うことを全く聞かんのはおかしいじゃろ!!」
とわめきはじめた。
「あなたには後で話す時間がありますので、それまで待っていて下さい」
「どうせ何十年も入ってもいいからワシは言いたいことがあるんじゃ!!」
と制止する裁判長を振り切る梅干しオヤジ。
オヤジは興奮して、顔が真っ赤である。
「あなたには後で話す時間がありますので、それまで待ちなさい!!
退廷を命じますよ!!」

一瞬の静寂・・・。
「起訴状にあったことは間違いないですか?」
「間違いねーよ」
とすねて答える梅干し。

こうして混とんとした裁判がはじまった。

 
遠隔操作ではなく、男は黙って実行あるのみ!!(偽計業務妨害罪/中編)へ続く

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