裁判傍聴 ブログ 「ドラマよりもドキュメンタリー」

空いた時間にフラッとプチ傍聴

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<現代版>青年よ、大志を抱け!(前編)

<現代版>青年よ、大志を抱け!(前編)

ここに薄っぺらい感じを受ける被告がいる。
リクルートスーツに身を包む被告は現在26歳。大学生であるとのこと。
市場調査などの会社へ就職後、教員を目指すべく再び大学生となったらしい。
婚姻歴はなく、現在は両親と姉と一緒に暮らしている。
これまでに前科前歴はない。
そんな教員志望の被告、教師の定番、痴漢でもやったのだろうか。

吹石似の検事が、相変わらず緊張感のない口調で、
ゆっくりと、それでいて堂々と起訴状を読み上げる。

被告は第三者に使わせるような考えを持ちながら郵便局へ赴き、
ゆうちょ銀行の係員に対し、さも自分自身で使用するように装い、
総合口座1通を交付させ、その後同年12月にキャッシュカード1枚を交付させたことによるもの。
詐欺罪、刑法250条。

そして裁判長が被告人へ「間違いはないか」と質問をすると、
直ぐに答えず、仏壇弁護士に同意を求める教員志望の被告。
なぜ自分のやったことに対して答えられないのかと疑問に思うUNICO。
そして、なかなか答えようとしない教員志望の被告に対して、
西田さんといった感じの裁判長が、
「打ち合わせがあるならしてもらっても構いませんよ」
と助け舟を出して、ようやく起訴状の内容を認めることができた教員志望の被告。
この言動を見て、教育委員会の顔色を見ながら対応する教員の姿が重なった。
◇  ◇  ◇
そして、吹石似検事からの冒頭陳述。
冒頭陳述になると途端に、切れ良くハキハキと読み上げるのはなぜかは分からない。

今回の事件が発覚したのは、郵便局からセキュリティの掛かった通帳を
使用している人がいるとの110番通報を受けたことによるもの。
そのセキュリティの掛かった通帳というのが被告名義であった。

被告名義の通帳は、以前に振り込め詐欺に使用されていると認定されており、
ゆうちょ銀行が凍結をしていたのだ。
ゆうちょ銀行側は、被告の逮捕後にこう話している。
「第三者等への譲渡を禁止することを通帳開設時に毎回確認しているが、
網を抜けるようにして通帳開設が行われることに頭を悩ませている。
また自社の通帳が振り込め詐欺に使用されたことに対して、強い憤りを感じている」
ご尤もな意見である。

そして逮捕後の教員志望の供述。
「○○○○(人名)から10万円を資金するので口座を作って、
そのキャッシュカードを譲ってほしい、通帳は被告が使用していい」と言われたとのこと。
全く以て、意味が分からない。

 

 

<現代版>青年よ、大志を抱け!(中編)へ続く

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