裁判傍聴 ブログ 「ドラマよりもドキュメンタリー」

空いた時間にフラッとプチ傍聴

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<現代版>青年よ、大志を抱け!(中編2)

<現代版>青年よ、大志を抱け!(中編2)

「10万円を資金するので口座を作ってそのキャッシュカードを譲ってほしい」
「作った通帳は被告が使用していい」とある人から言われ、
言われるままに、フラフラとゆうちょ銀行へ行き、口座を作った教員志望の被告。
こんなゆるい被告を守るため、仏壇弁護士は母を証言台に呼びよせた。
ただ傍聴席から見る限り、被告には依然として不利な状況が続いているように見えた。
そして裁判はいよいよ佳境、被告人質問の時間を迎えることとなる!!
☆  ☆  ☆
「資金として準備してもらったお金は、パチンコ店でサクラとして使うため?」
「家の近くにあるパチンコ店へ行き、自分の好きな機種を選んで、口座開設の依頼主に
電話したら、出易くなるようにしてやると言われていましたので」
うん!? イマイチ話の内容が見えてこない。

「口座開設の依頼主と連絡を取るのは?」
「口座開設の依頼主から電話が掛かって来ました。
自分はその人のことを知りません」
おいおい・・・。そんな発言が許されるのだろうか。

「なぜそんな話を飲んだの?」
「判断ができませんでした。金銭的にかなり逼迫していたのでお金が欲しくなりました」
「今やっているバイト代は? なぜお金がなかったのですか?」
「タイムラグがありましたので・・・」

「キャッシュカードや通帳を知らない人に渡すというのは、
振り込め詐欺に悪用されるとは考えなかったの?」
「自分が稼ぐことで頭が一杯だったので・・・そこまでは考え及びませんでした」
漠然と「悪用される」と想像が付くとは思いますが・・・そんなものなのか。

「今は?」
「第三者にカードを渡した以上、そのような可能性は否定できないと思います」
「やはりそのことを考えるべきだった?」
「いくら自分で判断できなかった状況でも誰かに相談するべきだったと思います」
さすが教員志望、防衛本能は強いようだ。

「今は?」
「バイト3つを掛け持ちしてまして、月15万円以上稼いでいます」
「学費は?」
「自分で支払っています」
「今後は?」
「自分で必要なものは自分で稼ぐようにします」
・・・月15万円稼ぎながら勉強はできるものなのだろうか。

「また今回と同じように誘われたら?」
「まず両親に相談します。今後はバイトと貯蓄があると思うので今後はないです」
この証言によって、今後判断が求められる場面では頼りない被告の判断頼みに
陥る心配はなくなったわけだ。

「証言の話を聞いてどう思った?」
「自分のことよりも両親(涙)、・・・家族とか(グスン)、
自分が大切にしないとダメな人を悲しませて・・・(グスン)、本当に申し訳ないと思っています」
最後は二線級張りの演技力を見せつけて、場を引き締めるといった演出で、
仏壇弁護士からの被告人質問が終了した。

 
<現代版>青年よ、大志を抱け!(中編3)へ続く

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