裁判傍聴 ブログ 「ドラマよりもドキュメンタリー」

空いた時間にフラッとプチ傍聴

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時に孤独は人を饒舌にする(前編)

時に孤独は人を饒舌にする(前編)

法廷にはイソクラゲのような被告が登場した。
イソクラゲが問われている罪名は、常習累犯窃盗罪。
10年間に3回以上、窃盗や窃盗未遂にあたる行為で
懲役刑を受けた者が新たに罪を犯すと成立し、
3年以上の有期懲役に処せられるというものだ。

無骨そうな検察からの起訴状の朗読を聞いてみる。
某有名パチンコ店において、遊戯台の足元においてあった
タブレット入リュックサック、2万7632円相当を持ち出し、
個人ロッカーへ入れた後に持ち去ろうとしたところを逮捕されたというものらしい。
被告とキノコの子は元気の子弁護士ともに事件を認めている。

そして、裁判はそのまま証拠調べに進む。
◇  ◇  ◇
まずは被告の身上・経歴から。
被告は61歳。現在無職で住所不定。
住所不定となったのは家賃を払えなくなったためであるとのこと。

大学卒業後鉄工所に勤務。その後職を転々とした後、衣料品販売店を経営。
これまでに離婚歴があり、前科は6犯。
うち1件については罰金に処されている。
平成15年に窃盗で懲役1年、平成17年には窃盗で懲役2年、
平成18年には累犯窃盗で懲役2年6月に処されているが何れも執行猶予付の判決が下っている。
平成20年4月にも累犯窃盗で懲役2年6月の判決が下り、この時は実刑となった。
その後平成22年に仮出所となっている。

今回の事件の経緯。
現在は年金暮らしで慎ましやかに暮らしていたが、
ある時「派手な生活をしたい」と思うようになり、
年金から金を捻出してカプセルホテルでの寝泊まりをしていた。
その後同パチンコ店でスロットを打ったのち、
被害者が席を取っておくためにリュックサックを置いていたものを
「金になるかな」と思い、今回の犯行に及んだというもの。

既に被害者との示談は成立しており、
被害者は「厳しい処罰は止めてあげてください」と言っているとのこと。
なお前回の裁判では「もうしません」と言っていたらしい。

なかなかダークな過去を持つイソクラゲのようだ。

 

 

時に孤独は人を饒舌にする(被告人質問編)へ続く

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