裁判傍聴 ブログ 「ドラマよりもドキュメンタリー」

空いた時間にフラッとプチ傍聴

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不法薬物 所持

決意は本物か否か(覚せい剤取締法違反)(中後編)

過去にも2度覚せい剤を使用して、覚せい剤取締法違反で裁判を
受けてきた40歳の被告。
それでもこれまでの2回はどうにか執行猶予付の判決を勝ち得て、
実刑を免れてきたが、今回は被告にとっては不利な戦いが予想される状況である。

そこで、被告の弁護を務めるモンチーパンチ弁護人は、
過去2回の裁判にも情状証人として証言をした被告の母を今回も証人として迎え、
今後も被告を見捨てずに支えていくといった
『母の無償の愛』の証言を見事引きだすことに成功した。

それでも、覚せい剤を止めさせるには『母の愛』だけでは難しいことを立証するべく、
軽石検事が母親に質問をぶつけるのだった。
― ◇ ― ◇ ― ◇ ―
「今回で3回目の覚せい剤の使用となりますが、
今後の監督は具体的にどうされるおつもりですか?」
「私がカラオケ店をしているので、自分と一緒に娘を店に置いておきたいと考えています」
「今回覚せい剤を自宅でやっていますが、再犯はないですか?」
「今回は全然分からなかったので・・・娘と自分の部屋が2Fと3Fと別だったもので・・・。
今55年の執行猶予があったでしょ、だから病院で治療をしていて、
次は絶対にないと信じていたので残念です」
「裏切られたという感じですか?」
「はい」

この質問に対して、若干物足りなさを覚えたサンドイッチマン富澤似の
裁判長からも質問が飛んだ。

「娘さんは何でお母さんを裏切るのでしょうね?」
「薬のドラマを見ただけで詳しいことは分からないですが、
依存性が高いですからね・・・それ以外は優しい、いい子なのですが・・・」
「甘えているのですかね?」
「子どもの時は病弱だったので、多少甘やかしてしまったのかもしれません」
そう力なく答える母。
「厳しさも必要だと思いますよ、つくづく・・・」
「・・・はい」
こうして歯切れの悪いまま母の証言が終了となった。
判決を下す裁判長の心証は、
今度という今度は、被告の言葉を信じきれないといった態度だ。
それでもモンチーパンチ弁護士は、一縷の望みを繋いで、
被告人質問に全精力を傾けることなる。

 
決意は本物か否か(覚せい剤取締法違反)(後編)へ続く