裁判傍聴 ブログ 「ドラマよりもドキュメンタリー」

空いた時間にフラッとプチ傍聴

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強要罪 何

ノルマと恋心の間(前編)

今回、UNICOが傍聴しようとする裁判は、強要未遂罪といった耳慣れないものだった。

強要罪とは、刑法第223条に規定されているものであり、
生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、
又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、
又は権利の行使を妨害した者は、3年以下の懲役に処するというものだ。

こうした他の人に無理やり何かをさせようとする刑事罰であるからには、
被告は相応の悪人面のはずだと踏んでいた。
そうした勝手な期待に胸を膨らませること数分、
被告は弁護士と共に法廷に姿をあらわした。ということは余裕の保釈中といったところか。
当然被告の顔は凶悪そうなもの・・・と思ったが、
これが冴えない「ジャガイモ(それも男爵)兄」であったのだ。

UNICOが落胆しているのもつかの間、
法廷にはミスジャポネ裁判長が入廷する。開廷の時間だ。
ミスジャポネに呼ばれ、被告が証言台へと進む。
そして被告本人に間違いがないか、生年月日に氏名と住所の確認がなされる。
どうやらこの男爵、未だ24歳らしい。
この風貌からも年寄りを相手に悪事を働いたのだろうか。
◇  ◇  ◇
そして、検察からの起訴状の朗読。
ネットで知り合った女性(24歳)に対して、
某珈琲店でパールネックレスの購入を4時間5分に亘って、
「なんなんおちょくっているのか!」「シバくぞ!」
「店内で大声で言ってもいいんやで!」
「買わへん理由を言え!」「納得できるように言え!」
などと危害を加えかねない勢いで強要したことによるもの。
罪名及び罰条、強要未遂罪、刑法223条。

起訴状に対して、素直に内容を認める被告と昭和風情を感じさせる弁護人。
そのまま裁判は、証拠調べへと進むこととなる。

被告は、大学卒業後に現在の資産運用ソフト販売及び宝石販売会社へ入社。
婚姻歴はなし。前歴に中等少年院に送致されたことがある。
会社での仕事内容は、会社が昨年の4月より資産運用ソフトを主に販売していたが、
宝石販売を手掛けるようになり、被告はその販売を指示されることとなった。
そして被告はネットで知り合った不特定多数の相手へ宝石を売るようになった。

被告と今回の事件の被害者はメールで連絡し、某珈琲店で会う約束を取り付け、
14時55分~15時30分の間、同喫茶店において世間話を開始、
18時30分~、パールネックレスを200万円で買うように強要しはじめ、
19時時点で、被害者が購入の意思がないことを告げて帰宅しようとした時に、
被告は、「どうしても買わないのなら大声で言うぞ」などと脅され、
被告がトイレへ立った隙に、店員に助けを求め、
同喫茶店従業員用の控室へ逃げ込み、警察へ通報してもらい今回の事件が発覚した。

のちに某喫茶店の店員はこう話している。
「被告はよく同店を利用しており、以前にも今回の事件と同様に女性に対して、
購入を迫っていたのか、女性が怯えていたことを見かけた」
とのことだった。

 
ノルマと恋心の間(中編)へ続く