裁判傍聴 ブログ 「ドラマよりもドキュメンタリー」

空いた時間にフラッとプチ傍聴

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盗品 転売 手口

時には見た目で損をする(中後編)

カーナビ12台を窃取したものと知りながら、
1台約6万円で譲り受け、これらを72万円で売却したことにより、
盗品等有償譲受といった小難しい罪名で起訴されているジャージめがね。
これまでに共犯者と共に3000万円程度の荒稼ぎをするといった驚きの事実も分かった。
そんな被告を救うため、ひげ剃り負け弁護士が証人を喚問した。
☆  ☆  ☆
まずは、ひげ剃り負け弁護士からの証人質問。
証人として被告の知人という50代くらいの女性が出廷。

「被告とはどんな関係ですか?」
「娘の友人として、被告が18歳の時から家に出入りしていました」
「今でも交流がありますか?」
「はい」
「家に来る頻度はどれ位ですか?」
「その年によって違いますが、年に1、2回程度で、あとは電話などで連絡を取っています」
「被告はどんな存在ですか?」
「血は繋がっていませんが息子のような存在です」
と証言する寛大な女性。なかなか他人を息子のようには思えない。

「被告に前があることは知っていますか?」
「知っています」
「事件後に被告と会いましたか?」
「はい、だから今回の事件については大体知っています」
「前に盗品等を販売していたことは?」
「知っています」
「今回の事件の内容は?」
「前と同じことをしたということを知っています」

「何のために犯行を犯したのでしょうか?」
「詳しくは知りませんが、被告は意志の弱いところがあるので、そうなったのかなと思っています」
質問に対する回答のようで、回答になっていない。

「事件についてあなたはどう思っていますか?」
「良くないと思いますが、被告を18のころから知っていて・・・、
育った環境かなぁ・・・と。根はやさしいので・・・」
これも同様、回答になっていない。

「今回のことは悪いことをしたと思いますか?」
「はい」
「どう悪いですか?」
「今月のはじめに私も車上荒らしにあって、その時、金品を盗られた
ことよりも荒らされたことの方がショックでした。
被害にあった人のことを考えるとよくないことだと思う・・・」
ただ被告は意志が弱く、安易な所もあるため、被害者が目の前にいないことから、
ズルズルとやってしまったのではないかと思います」
この証言は、被告が悪いことをしたとは核の部分では思っていないと感じた。

「あなたは面会には行きましたか?」
「4回行きました。また手紙は20通程度やりとりをしました」
「どんなやりとりをしましたか?」
「健康のこととか、今後のことなどを話しました」
「執行猶予中の犯行なので、服役は免れないと思いますが、社会復帰後はどうなってほしいですか?」
「やっぱり、ちゃんとした仕事に就いてほしいと考えています。
だかた被告のお母さんと連絡を取り合って、社会復帰をさせたいと考えています」
「今後監督はしますか?」
「するつもりです」
「具体的には?」
「お母さんと連絡を取り合って、きちっとした仕事に就いてもらうようにサポートします」
模範的な回答である。
☆  ☆  ☆
続いて、検察からの証人質問。

「地元は××ですか?」
「はい」
「今日はわざわざ××からこの裁判に出廷しましたか?」
「はい、主人が▲▲に来ていますので、今日は▲▲からですが」
「同じような事件を前にも起こしていますが知っていますか?」
「はい」
「前の事件を起こしたあと以後、会って話をされましたか?」
「はい、当時は主人が大阪に居て、その時に一緒にご飯を食べたりしました。
時には車で送ったこともありました」
「その時被告はどういう生活をしていますか?」
「スナックをやると言っていたので、それをやっていると思っていました。
そしてそれで生計を立てていると思っていました」

「事件当時はスナックをやめたていたことは?」
「知らなかったです」
「スナックは人に任せて、その任せた人にお金を持ち逃げされて潰れたのですが、
その後、共犯者が先に捕まり、それを知って本人が逃亡していたことは知っていましたか?」
「××に戻ってきた時に事情は言わなかったのですが、大阪で何かやったかな、
それで××に帰ってきたのかなとは思いましたが、
まさか事件を起こしているとは知りませんでした」

「社会復帰後は被告との関係をどうされますか?
被告は確か娘さんの友人とありましたが、交際相手ではないのですか?」
「はい」
「前がある人のことを世間では嫌いますが、今後はどうなさりますか?」
「娘も結婚して婿も居ますが、婿も被告のことを知っていまして付き合いもありますし、
今日のことも話しています。
取りあえず帰って来てからみんなで考えます」
☆  ☆  ☆
そして、学級委員長からも質問がなされる。
「娘さんの友人のお世話をすることは大変だと思いますが?」
「18の時から家庭が恵まれず、自分を母のように慕ってくれていたので、
今後も見守っていきたいと思っています」
何という面倒見の良さなのだろう。

 
時には見た目で損をする(後編)へ続く