強要未遂罪に問われる男爵男の裁判。
ここまではフワーッとした感じで裁判は進んでいたが、
ここで最大の山場、昭和風情弁護士が呼んだ情状証人が証言台へと呼ばれる。
証人として登場したのは、被告の元同僚の母。
まずは、昭和風情弁護士からの質問。
「ある会社で顧問職をしておられる?」「はい」
「何人くらいの会社ですか?」「10人程度です」
シャンとしている、凛とした印象である。
「仕事内容は?」
「5、6年前から化粧品の製造販売をしていて、
それをエステ店やディーラーへ売る仕事です」
「工場も持っておられて経営にも関わっているのですか?」「はい」
「社長は元ご主人ですね」「はい」
これはかなり割り切った関係が求められるだろう。
「息子さんから話を聞いて、それで自分のところに来て貰ってもいいよ、
ということを言って下さっているのですか?」
「私は元々『好きではないなそのやり方は』と言っていました。
商売には真っ当なやり方で、しんどい思いをしてもやらないといけないと思う」
長くおとなをやり続けた、説得力のある重みのある言葉である。
「被告にはどんな仕事をお任せになるおつもりですか?」
「商品の配送や発送業務です。
人生っていうのはやり直しは何回もきく。
汗水たらして大変だと思うが身体を動かすことがいいと考えています」
この人ならば、この男爵男も立ち直るかもしれないと思わせる心強い言葉であった。
そして、検察からの証人質問。
「面会には行きましたか?」
「行っていません」
この言葉を聞いて、UNICOはドキッとした。
「私には私の仕事があり、出てきてからの被告を見てから判断しようと思っています」
「今後同じことを起こさせないようにする自信はありますか?」
「とんでもない、今は何とも言えません。
ただ自分のところに来ることになればその自信はありますが」
何か証人には、強い信念みたいなものを感じ取ることができた。
これを聞いて、空かさずミスジャポネも質問を投げかける。
「被告は息子さんですか?」
「違います。息子の元同僚で、息子に頼まれてきているだけで被告とは関係はないです」
「今後被告を雇って頂けるということですか?」
「これまでのことはどうでもいい。
被告には、これから先をどうしたものやろうかと真剣に考えてほしい。
ただあてにされるのはいや、また反省がないと雇う気はありません。
ただ一度引き受けた限りは更正させる気はあります。
過去は過去、これから先が肝心。
だから今後もこちらからは声掛けなどもしません」
何とも心強い、頼もしい存在であろうか。
ノルマと恋心の間(求刑編)へ続く
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