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有名な「詐欺事件」を傍聴してみる~谷絹子元カリスマ女経営者②

有名な「詐欺事件」を傍聴してみる~谷絹子元カリスマ女経営者②

(前回までのあらすじ)
60歳をゆうに超えるも世間からは「元カリスマ女経営者」と囃し立てられ、
その効果で一時的にではあるが、「カリスマ女経営者」としてTV出演まで果たした谷被告。
その真っ直ぐに伸びた背筋、ふてぶてしいまでに堂々とした態度、
そしてまだまだ衰えを感じさせない鋭い眼光など谷被告の大物ぶりに
完全に翻弄されたUNICO。
このあと、これまた想像を絶する「長く」「眠い」起訴状の朗読が検察官から繰り出される。

谷被告は、2件の罪に問われている。
起訴状の内容は、余りにも複雑であったため、UNICOの理解も到底おぼつかないので、
以下要点だけを絞って記述することとする。

1件目は「詐欺」に関するものであった。
被告(谷絹子)が経営する衣料品輸入会社(UFO)が、谷被告の夫や身内が経営する関連会社GSF、
アイデア社、中国法人ホースボーキ有限公司、上海服装、上海本子国際貿易他を巧みに利用し、
派手な粉飾決算をしまくって、銀行他外部取引業者に、谷被告の会社とその傘下企業の業績がいいように見せかけ、
また架空取引も繰り返し行って、大手都市銀行数社に多額の融資をさせたことが「詐欺にあたる」
との検察の主張であった。
ただ検察によるとその額がUNICOの予想を遥かにこえるものであった。
というのもUFOに限っては、架空取引額は4億7000万円程度に上り、
また売上額も盛りに盛っており、当時2億2千万~5千万円程度だったものを452億~892億円に粉飾。
更に負債金額は、95億円と申告していたが、実際は333億円程度も抱えていたとのことであった。
また関連会社も同様に「粉飾もここまでやればアッパレ」と思うほどの計上を上げていたとのことだった。
ゆえに検察は、この架空取引や売上を信用した大手銀行が「信用与信」という名目で増額に増額を重ね、
M銀行とR銀行と併せて31億円程度までに膨れ上がったことを争点にしたいようである。
ただ大手銀行の調査員に突っ込みを入れたくなるのは、
UFOの収支バランスが、谷被告逮捕時には収入の94%にあたる額を「借入金返済」に充てていたのであるが。

2件目は「民事再生法違反」に関するものであった。
これは民事再生法の適用を受けるには、会社の資産が2700万円程度なければその適用を受けられない
とであるのだが、谷被告は289億円程度あると盛って、部下に知人の弁護士にメールを送信するよう事前に
指示をだし、それが「財産の証拠」となって、一時は民事再生法の適用を受けたとのことだった。

やるな、谷絹子。
UNICOはそう感じた。
ただ、この起訴状の朗読を終えるまでにおよそ1時間程度の時間を要した。
また検察が2名体制で臨んだ理由も理解できた。
1人が詐欺を、もう1人が民事再生法違反を受け持っていたのであった。

おかげで野次馬根性丸出しの傍聴人たちは、長い起訴状の朗読のおかげで、
至る所から貧乏ゆすりが頻発し、法廷内を揺らせることとなったのである。
ただここからが傍聴人にとってのメインイベント、谷被告人の生声が聞ける「意見陳述」の時間である。
有名な「詐欺事件」を傍聴してみる~谷絹子元カリスマ女経営者③へ続く

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