裁判傍聴 ブログ 「ドラマよりもドキュメンタリー」

空いた時間にフラッとプチ傍聴

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俺はスパイダーマンになる!(前編)

俺はスパイダーマンになる!(前編)

オウム服を彷彿させる衣装で入廷してきた35歳の被告は、
どこか世間を恨んでいるような目つきが印象的な男だった。

検察の冒頭陳述によると、被告は出生から中学卒業までは沖縄県で暮らしていた。
「沖縄の人=三線を弾き、歌を歌っている=牧歌的」
といった勝手な幻想を抱いていたUNICOには、被告が沖縄県出身とは到底思えなかった。
それほどまでに被告の目は荒んでいたのだ。

そんな被告は中学卒業後に大工として上阪するも6年余りで転職。
その後24歳からの3年間程度は某大手建設会社で鉄筋溶接工として、最後の奉公をしていたようだ。
というのも会社を離職後は住所不定となり、生活費はアルミ缶回収などをして稼いでいたらしい。

被告は、これまでに前科4犯。そのいずれもが覚せい剤取締法違反によるものだ。
うち1度は1年4か月の実刑となっている。
前回出所から今回の逮捕までのおよそ3年間は、出所前と同じアルミ缶回収をして生計を立てていたらしい。

今回被告が起訴されている罪名は、建造物侵入及び窃盗罪。
起訴状によると、被告は前に勤めていた建設会社の社屋に侵入するため、
夜な夜な外壁を3階までよじのぼり、時価5万円相当の銅線(41kg)を窃取しようとしたところ、
たまたま同社従業員が防犯カメラに映っている被告に気付いて警察に通報し、ほどなく逮捕となった。
逮捕後、被告はその動機について、
「銅線を盗って、売ったお金で好きな酒を思う存分飲みたかった」と話していたらしい。
トホホな理由である。
俺はスパイダーマンになる!(後編)に続く

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