裁判傍聴 ブログ 「ドラマよりもドキュメンタリー」

空いた時間にフラッとプチ傍聴

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ママ、ぼく捕まっちゃったぁ~!!

ママ、ぼく捕まっちゃったぁ~!!

法廷には、額がやけに狭い、大柄な男が入廷する。
被告はどうやら保釈中のようである。
年齢は42歳。
高校中退後、現在は塗装業に勤務している。
これまでの前科前歴は計3犯。
うち1件は、傷害罪で懲役4月、執行猶予3年。
次は、業務上過失傷害で15万円の罰金刑。
3件目が恐喝及び窃盗罪で懲役3年、執行猶予4年に処されている。
またこれまでに交通違反の前歴も複数回あり、うち3回は信号無視で捕まっている。
そんななかなかの経歴を持つ被告。
今回は、道路交通法違反と自動車運転過失傷害の罪に問われている。
+ + +
今回の事件のあらましはこうだ。
無免許(免許取消)で自動車を運転中に、
信号待ちをしていたタクシー運転手である65歳の被害者の運転する車両に後方よりぶつけ、
被害者が負傷したことを認識しながらも、
110番通報をせずに逃げたことによるもの。

被害者は、頸椎捻挫で加療10日の負傷をした。
被告はその時、交際相手の女性に会いに行くところであったことと、
何よりも、執行猶予期間中であり、
無免許運転をしたことと飲酒をしていたことが警察に知れることを恐れて逃走したとのこと。
確かに今度こそ実刑となる・・・その気持ちは分からないでもないが。

幸い被害者は、事件後2週間程度の加療で業務に戻っている。
また被害者は事件直後には
「被告にはぜひ厳しい判決を下してほしい」と厳罰を希望していたが、
早々に示談交渉を済ませた被告の手際よさを受けて一転、
「仕方のない事故だった、ただ逃げたのは良くないので適正な処罰を」
と態度を軟化させているらしい。
またその嘆願書へサインをして貰えるように現在依頼しているらしい。
・・・相当のカネを積んだのだろう。

この日の法廷はここででストップとなった。
というのも、弁護人が提示した今後の立証予定として、
書証関係では、示談書と自賠責保険の証書を提出し、
次回に情状証人として、福岡に住む母親が遠路はるばる息子のため、
持病を抱えながら出廷することとなっているためだ。
せめて、被告人質問までやって欲しかったが・・・
証人質問のあとが流れなので仕方がない。

結果、次回公判日時を決めて閉廷となった。
次回は2月18日(月)10時~。
+ + +
今回の事件は執行猶予中のものであり、
今度こそ実刑が免れない状況となった被告。
息子の一大事とあれば持病があっても母親は駆けつけるだろう・・・。
母にとって、子どもは何歳になっても子どもなのであろう。

それしにしても、体格に似合わず何ともだらしない被告に対しては、
前回の刑と加重して、懲役3年6か月でどうだろうか、裁判長!!

 

(了)

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