裁判傍聴 ブログ 「ドラマよりもドキュメンタリー」

空いた時間にフラッとプチ傍聴

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決意は本物か否か(覚せい剤取締法違反)(前編)

決意は本物か否か(覚せい剤取締法違反)(前編)

覚せい剤取締法違反の裁判を傍聴するのは久しぶりだったが、
この日は、30席程度の傍聴席が異例の満席だった。

法廷に現れた被告は、以前TVでよく見かけた高見恭子似の女性(43歳)。
どことなく幸が薄そうな顔をしていた。

「除外事由もないのに、H24年3月に被告人方で、
フェニルプロパンが含有する禁止薬物を注射器を用い、
直接体内に摂取したことによるもの。
罪名及び罰条、覚せい剤取締法違反(同法第41条の3、第1項、同法第19条)」
そう起訴状を淡々と読み上げる検事は、久々に軽石の登場であった。

これについて、高見恭子似とモンチーパンチ弁護人はあっさりと起訴状の内容を認めたことにより、
早々に冒頭陳述へ続いていく。

被告は、中学卒業後に飲食業など職を転々とし、
その後清掃員として勤務していたが、現在は無職で母親と同居をしている。

尿検査を提出した後に、○市在住の男の家に行き、そのまま婚姻するも、
婚姻した男性が先に覚せい剤取締法違反で逮捕された。
それを受けて再び母の住む自宅へと戻るも、先日提出した尿検査から陽性反応が
検出されたこと、また両腕に注射痕も見つかったことにより、
被告も同法違反で逮捕される。

被告と覚せい剤との付き合いは長く、24歳の時から使用しているらしい。
これまでに同種の前科2犯がある。
うち1件目の事件は、平成19年に同法違反と詐欺とを犯しており、
懲役3年、執行猶予5年の判決を受けている。
もう1件は、やはり覚せい剤取締法違反で懲役6か月、執行猶予3年に処されている。

今回の入手経路は、平成22年に義父がなくなり、
その遺品のポーチの中から新品の注射器と覚せい剤が見つかり、
それを2回に分けて使用したとのこと。
最後に使用したのは平成24年3月らしく、その後の尿検査で陽性反応が検出されることとなった。

本人は逮捕後の供述で、
「仕事でいらいらが募り、つい使いたくなってしまった」
「実刑を覚悟しています。今後2度と覚せい剤は使用しない」
「今後覚せい剤に関係する人とは付き合わないし、相手にもしない」
と話していたらしいが・・・。

禁止薬物を使用した裁判は、確かにやってしまったことを咎めることも大事だが、
決してそれだけの目的ではない。

「今後もう2度とやりません」
そう述べる被告の覚悟が真実か否か。
それを見極めるための裁判でもある。

 

決意は本物か否か(覚せい剤取締法違反)(中編)へ続く

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