裁判傍聴 ブログ 「ドラマよりもドキュメンタリー」

空いた時間にフラッとプチ傍聴

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今、会いに行きます(前編)

今、会いに行きます(前編)

簾のような前髪をバッチリと決めたパピヨンヘアの被告が出廷する。
まさにバブル期を彷彿するものだ。
そんなパピヨン被告の年齢は、世間的に言い訳のできない30歳だ。

起訴状によるとこのパピヨンは、深夜1時過ぎに酒気帯びで原付を運転していたところを
警察官に呼び止められたらしい。
呼気からは0.4mgのアルコール分が検出されたらしい。

以前なら、行政処分で終わっていたものだが、
近年は酒気帯び運転が社会的問題となり、それを受けて道交法が改正され、
罰則規定が設けられるようになったわけだ。
+ + +
それにしても、酒気帯びだけで正式な裁判となってしまうには何らかの理由があるはず。
佐古アナ似の検事による冒頭陳述を聞いてみよう。

被告は、高校中退後、自動車販売業に勤務。
これまでに交通違反による罰金が3件あり、うち2件は速度超過で各7万円の罰金、
残りの1件は酒気帯びで30万円の罰金となっている。
合計44万円・・・積もるとかなりの金額である。

そして今回。
500mlの缶ビールと750mlのワインを飲んだところに、
交際相手より連絡があり、彼女の元へ駆けつける際に、
借りていた原付を返そうと思い付き、ふらつきながら原付を運転。
そして、彼女の家の前で警察官に職務質問を受けて捕獲されたようだ。
自宅からおよそ1.5km程度の距離だったらしい・・・。
+ + +
被告、弁護人とも異議なしであったため、早々に被告人質問が行われる。
まずはやる気のない弁護人からの質問だ。
「酒気帯び運転をして悪いところは何ですか?」
やる気のない弁護士、恐ろしく早口だ。
「正常な運転ができなくなることです」
「なぜ正常な運転ができないのですか?」
「人をはねてしまったり、ケガをさせてしまうからです」
「前回平成17年に罰金を受けていますが?なぜやってしまったの?」
「一度捕まっているのに、またやっているので申し開きはありません」
「これから運転をすることはありますか?」
「免許も返還していますし、車も処分しましたので、もうするつもりはありません」
「今後絶対にしませんか?」
「はい」
「終わります」
・・・何とも淡泊な被告人質問。本当にやる気がない。
こんな調子じゃ、実刑になるのでは???

 

今、会いに行きます(中編)へ続く

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