裁判傍聴 ブログ 「ドラマよりもドキュメンタリー」

空いた時間にフラッとプチ傍聴

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企業内窃盗団を結成する

企業内窃盗団を結成する

人が集団になろうとする行為には、多少なりとも目的がある。
利害の一致、主従関係、帰属欲求など・・・。
これら目的がなければ、煩わしい集団に属することをしないとUNICOは考える。

今回の被告の場合は、会社のパソコンを盗むという使命を果たすために窃盗団を組むこととなった。
それも社内でである。
この企業内窃盗団は、よなよな深夜に自分たちの勤める会社に忍び込み、
パソコン数十台を盗み、それを売却しようとしたとこを御用となった。

・・・大胆な犯行である。同時に先行きの不安な会社である。
こうした不安を目に見える形に表すのがこの男。
どこにでも居そうな「目立たないタイプ」。良く言えば堅実そうだが、悪く言えば活気がない。
そのスッキリ刈り上げられた頭に、たっぷりの脂分を含み出っ張っているよくある中年腹しか見どころがない。

ちなみにこの公判時には、既に共犯者の判決が下っており、実刑となっている。
これは被告にとって不利な状況である。
というのも集団で犯した罪は、その仲間内で主従関係が認められず、
共同正犯に相当すると判断された場合には、
判例主義の観点から、先の判決を踏襲することとなる。
どうやら弁護側は、被告の前科がないことや直接の実行犯でなく幇助犯である旨を訴えて、
一審で結審した実刑を免れようと高裁に持ち込んだのがこの日の公判であったためだ。

この状況に追い打ちをかけるように甲高い声の裁判官から、
「このまま何か立証できる材料がなければ、このまま控訴は棄却されますが・・・」
と追い込まれている。どうする国選。
その動向を冷ややかな表情で見守るクリボー頭の検事。
「・・・・・・次回公判時までには証拠を準備します」
そう苦し紛れにのたまう国選弁護士。
その言葉を聞いて、一層余裕の表情を浮かべるクリボー検事。

「準備が整うまで、少し時間を空けた方がいいですね」
と甲高い声で場の緊張を和ませる裁判官・・・。

やはり棄却か・・・そう感じずには入られないUNICOであった。

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