裁判傍聴 ブログ 「ドラマよりもドキュメンタリー」

空いた時間にフラッとプチ傍聴

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似たもの同士!?(前編)

似たもの同士!?(前編)

前の裁判時間が予定時間を押してしまい、今法廷は予定開廷時間をかなり過ぎていた。
この法廷を任されている堅物裁判長は、そのことを気にして少し焦っているようだった。

そこへゲンゴロウ弁護士がスーッと入廷し、
普通ならばそのまま着席するところを着席せず、
そのまま裁判長の近くに歩み寄り、
「うちはすぐに終わりますよ」
と小声で話しかけると、そのまま笑顔で着席した。
その言葉に何とも困った反応を示す堅物裁判長。

このやりとりを見て、思わずこの裁判の罪名を確認するUNICO。
そこには「詐欺」と書かれてある。
被告は犯行を素直に認め、サクサクと公判を進めるということであろうか。
+ + +
そこへ法廷警備員に連れられた目つきの頗る悪い被告が、
ふてぶてしく入廷されてきた。
この被告の顔を見て、ゲンゴロウの言葉に疑問を抱くUNICO。
本当に大丈夫なのだろうか。

裁判長から開廷が告げられ、被告が証言台へ。
まずは本人確認なのだが、裁判長からの質問に対して、
「えぇ、そうですよ」
と答える目つきの頗る悪い被告のそれは、
他者と比べるとぞんざいに類する。
何か考えがあってのことだろうか。

そして、検察からの起訴状の朗読へと進む。
吹石一恵似、タヌキ顔の検事が立ち上がり朗読がはじめる。
何とも緊張感の乏しい、それでいて無駄に堂々とした大きめの声で、
法廷内に違った緊張感が走ることとなる。
「被告は、金銭を払う意志も能力もないのにその能力があるように装い、
○○署まで1,220円分をタクシーに乗車したことによるもの」
とのことだった。

ここで、被告と弁護人が今回の起訴内容について、
認めるか、認めないかの意見を求められ、
被告は犯行を素直に認めると、そのまま証拠調べとなり、
サクサクと裁判は進むことになる。
しかし、この裁判は違った。

「一切違いますね、全く違う所やし、全然違う。
無罪を訴えますし。そもそも乗った覚えもないし、
それに無料乗車にして貰っているから一旦会社へ行けと言ったのに違う所へ行くし」
とキレ気味に話す被告。これは真っ向対立の様相だ。
こうなると裁判は時間が掛かると思われるが・・・。
ゲンゴロウ、何が「直ぐに終わります」なのだろうか。

そして、なぜかなし崩し的に、被告人質問となっていくのだった。

 
似たもの同士!?(後編)へ続く

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