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空いた時間にフラッとプチ傍聴

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時には見た目で損をする(中編)

時には見た目で損をする(中編)

カーナビ12台を窃取したものと知りながら、
1台約6万円で譲り受け、これらを72万円で売却したことにより、
盗品等有償譲受といった小難しい罪名で起訴されているジャージめがね。
次に控えるスキンヘッド検事からの冒頭陳述で狡猾とも呼べる犯行の手口が明らかとなる。
*  *  *
先ずは被告の身上、経歴から。
被告は中学卒業後、職を転々としていた。離婚歴があり子どももいる。
現在はシノギ以外で稼いでおり、逮捕時にはマンガ喫茶などで寝泊まりしていたらしい。
これまでに同種の前歴があり、その時は懲役2年、執行猶予4年、罰金20万円に処されている。
今回の事件を起こしたのは、執行猶予中であったとのこと。

続いて今回の犯行の手口。
被告は、共犯者と共に盗品等を売りさばいて生計を立てていた。
このシノギで、被告は窃盗犯との交渉、売り払いなどを担い、
常習的、職業的に行っていたらしい。
そしてシノギで得た利益は、共犯者と折半していたとのこと。

今回の事件は大手メーカーのカーナビにより足が付いたらしい。
上記メーカー製のカーナビ数台のうち1台は業者を経由して一般人の手に渡っていた。
それを正規の業者が発見し、カーナビが被害者のものと一致したことにより今回の事件が発覚した。

また、被告らが盗品の買い取りの際に必要な
現金36万円が窃盗犯に送金されている事実も分かっている。
更に、送られてきた小包から被告の指紋も検出されている。
更にさらに、盗品の入った小包の宅配を担った郵便局員の証言でも、
共犯者と被告とが共犯関係であり、盗品を明らかにするような証言があり、
そのウラも取れているらしい。

起訴状にもあったが、被告らは盗品のカーナビをおよそ1台6万円で買い取り売りさばいていた。
なおこの買い取り価格でこじれた場合には共犯者が直接交渉を行い、
値付けを行うなど主犯的な働きを見せていたとのことだが、
被告もこの売買益を得ているため、共同正犯とみなされている。

そして実行の手口は、窃盗犯から被告へ
「仕事をしたものを買い取って欲しい」との連絡が入り、
被告が金額を提示する→交渉成立→被告は入金をし、
窃盗犯が盗品を送付するといった単純なモデルのようだ。

今回は共犯者が先に身柄を拘束され、それを受けて警察より被告へ連絡が入った。
それを聞いて被告は逃亡を決意し、執行猶予期間中は逃げ切ろうと考えていたとのこと。
そして、執行猶予期間が過ぎたところで、被告はノコノコと警察に出頭したということらしい。

被告は逮捕後の供述で、
「今回の犯行は、生活費、遊興費欲しさに行ったものであり、
共犯者から誘われたものである」と言っているらしい。

彼らの使用していた通帳の残高は2億円程度あったらしい。
その中から購入費などの諸経費を差し引くと実質の利益は3000万円くらいらしいが・・・。
なかなかシノギは簡単に稼げるようである。

 

 

時には見た目で損をする(中後編)へ続く

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