裁判傍聴 ブログ 「ドラマよりもドキュメンタリー」

空いた時間にフラッとプチ傍聴

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本能のダンス(前編)

本能のダンス(前編)

強制わいせつ裁判の続編。

被告は気の弱そうな金山一彦が証言台へと呼ばれる。
もう既に半泣きである。

身元確認が行われる。被告は現在45歳らしい。
見た感じから年齢相応といったところか。

続いて、チェリー検事から起訴状の朗読がはじまる。
事件の性質上、公判前に被害者の氏名、住所を秘匿することが決定していることが告げられる。

内妻の娘当時11歳に対して、平成24年10月に被害者自宅内において、
被害者の着衣に手を入れて、乳房を触り、膣内に指を入れるなどのわいせつな行為を取ったとのことらしい。

この短い起訴状の中には非常に凝縮された濃いものがある。
被告が欲望を傾けた相手は内妻ではなく、11歳の被害者と底知れない闇が広がっている。

この起訴状に対し、被告、ドライバー弁護士ともに犯行を認めたことにより、
裁判はチェリー検事からの冒頭陳述へと進むこととなる。
◇  ◇  ◇
被告は鹿児島県出生。
高校卒業後に机を作る会社へ就職する。
離婚歴は1回。
前科としては、業務上過失で1回起訴されている。
今回の起訴を受けて、会社は解雇となっており、無職の身だ。

事件の経緯
平成19年に当時39歳だった内妻と知り合い、そのまま内妻の家で暮らすこととなった被告。
それからほどなくしてその毒牙が内妻の娘へと襲い掛かる。

内妻が居間でテレビをしている隙を見計らって、娘11歳の元へ行き、
「添い寝」と称して布団に一緒に入り、胸を触る、陰部に指を入れるなどを行ったらしい。

こうした行為は平成23年4月過ぎより、性的欲求を抑えきれなくなった被告が
「ママには内緒な」と言って胸を触ったことに端を発する。
その後被害者が内妻に言わなかったことに味をしめて、
週3、4回のハイペースで胸を触るなどの行為を1年程度繰り返したようだ。

そして、徐々に欲望がエスカレートしはじめる。
平成24年春ごろからは、陰部を触る行為もメニューに追加。
被害者は後に「このことを母に言うと母が悲しむと思い黙っていた」とのこと。
しかし徐々に堪え切れなくなり、友人数名に相談。
友人から「警察へ行って相談したらいいのでは」との助言を受けて、
友人と共に警察へ相談に行ったことから今回の事件が発覚したとのこと。

被告の逮捕後、内妻は
「全く気付いていなかったが、娘のことを考えるとこれまでの学校に行かせられない。
この年で引っ越しをしないといけないことが可哀そう」
「今後このような行為を受けた娘の心身にどう影響するかが気がかりであり、
もう被告とは二度と会いたくありません。
実の娘がこんなことをされて絶対に許すわけにはいかない、被告には厳重な処分を望む」
との話していたらしい。

一方被害者は、以前から被告のことを「パピー」と呼んで慕っていたが、
「パピーにいやなことをされたが、このことを言うとママが悲しむと思い言えなかった」
「パピーのことは嫌い、パピーのことをこらしめてほしい、パピーは刑務所に行って欲しい」
と話していたとのことだった。

絶望的な内容である。
◇  ◇  ◇
この裁判の前日に追起訴が決定した。
追起訴の内容についても被告側は争いがないとのこと。
追起訴の公判は次回に持ち越しとなった。
その時に弁護側より親族1名、会社関係者1名が情状証明に来る予定らしい。

 

 

本能のダンス(追起訴編)へ続く

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