裁判傍聴 ブログ 「ドラマよりもドキュメンタリー」

空いた時間にフラッとプチ傍聴

3

新春詐欺シリーズⅠ ~還暦を迎え、晩生をまっとうに生きるⅠ~

新春詐欺シリーズⅠ ~還暦を迎え、晩生をまっとうに生きるⅠ~

傍聴人に紛れ、そのまま柵の向こう側に入っていくスーツ姿の被告。
一見するに、どこにでも居る会社員といった感じである。

そんな被告の罪名は詐欺罪。
詐欺について、前々から考えていたことがある。
詐欺を働く人間とはどんな人間なのかと。
確かに見るからに胡散臭い感じを受ける人ならば誰も騙されることはないだろう。
そう考えてみると被告のようなどこにでもある顔立ちならば案外詐欺を働き易いのかもしれない。

被告がやらかした手口をチェリー検事が起訴状の朗読でボソボソと読み上げる。
>生活保護をだまし取ろうと企て、資産700万円程度の預貯金があったにもかかわらず、
某区役所に出向いて、虚偽の資産申告書を提出し、さらに「手持ちが3,000円だ」と装い、
7回に亘り、生活保護給付金を不正に受給したとのことだった。
被告が不正受給した金額の合計は746,203円に及ぶ。

起訴を受けて、被告と弁護人は特に異議を申し立てず、そのまま検察による冒頭陳述がはじまった。
>高校卒業後、数社の勤務経験を経て、現在はナイトー商事を経営している。
業務内容は、建築請負を謳っているが、実態はスーパー玉出の清掃業務を請け負っていたようだ。
前科として、業務上過失傷害2件、偽造通貨1件あり。

H24年2月、義弟に「税金が何万円もくるからお前の口座を貸して欲しい」
「収入を分からなくしたい」といった相談を持ち掛け、
その後義弟に現金を預け、義弟名義で口座を作らせる。
その足で、地域の区役所へ行き「日雇いをしていたが仕事がなくて収入がない、
次の仕事も決まっておらず、今3,000円しかない」と申し出て、受給に至る。
のちに警察の動きを察知した被告は、義弟に同口座を解約させ、
現金836万8,000円余りを小切手にするよう指示し、
それを自分で所持していたときに検挙されたとのことだった。
新春詐欺シリーズⅡ ~還暦を迎え、晩生をまっとうに生きる~へ続く

« »

コメント