裁判傍聴 ブログ 「ドラマよりもドキュメンタリー」

空いた時間にフラッとプチ傍聴

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燃える涙(中後編)

燃える涙(中後編)

コンビニで発泡酒1本を盗み、逮捕、起訴されるにはそれなりの理由があるはず。
40を過ぎた松山千春似の被告に一体何があるのだろうか。

次は森三中の大島似の弁護人からの被告人質問だ。

「今回の事件についてどう思っていますか?」
「万引きの行為について、いろいろと原因はありますが、
まず認識が甘くて、謝ったら済むといった考えが自分にはあり、
軽率な考えの下から起こった事件だと思います」
どうやら被告は見かけによらず理屈っぽいタイプのようだ。

「今、証人の話を聞いてどう思いましたか?」
「自分がやっていることは、一番彼女に対して気持ちを踏みにじる行為だし、
それに証言までして貰って、自分のためにやってくれる気持ちが嬉しくて・・・
自分のことを最低だと思って・・・。
これまで何回もあったが、今回が一番自分にとって考えを変えていく、
更正する最後のチャンスだと思うし・・・。
今後は悪い方向へいかず、まず2人のための生活をしていき、
それをやっていかなければと強く思いました。
やったことも悪く、罪に軽い重いは関係ないと思う」
とこれまでとは違うことをアピールする被告。

「被害店舗へあなたは何か申出をされましたか?」
「謝罪文と被害額相当の弁償を申出ましたが、断れました。
店の人から『裁判慣れしている、そんな形式的なものは要らない』と言われました」
「誰に反省文を出したのですか?」
「(コンビニ店)の店長です」
「それをオーナーにも見て貰い、何て言われたのですか?」
「この方は犯罪をやるものは治らないといった考え方をされていました。
人には色んな考え方があり、これまでは確かにそういう生活をしていた
自分がありますので、理解はできます」

「オーナーは他にも何かされていますよね、その立場は何か知っていますか?」
「青少年に犯罪防止運動をしておられる人です」
「それについてあなたが思うところは?」
「いろんな活動をされている方で、自分のやったことは社会悪、
オーナーの言い分はすべて正論ですので自分が違うとは言えません」
ということは、本音ではオーナーの言い分には了承致しかねるといったところなのだろう。

「それで再度謝罪文を出されたのですね?」
「1回目は自分の気持ちというより、これからや今の気持ちを省いたものを書きました。
次に2回目はそれを入れて書きました」

「窃盗は累犯ですので恐らくは刑務所へ行くことになると思いますが、
今後のことはどう考えていますか?」
「復帰後は彼女と力を合わせて、ささやかでもいいので、仕事を選ばず、
きちっと当たり前の社会人として、自分は常識がずれているので・・・。
彼女の言うことなら聞けるし、2度と同じ過ちを繰り返さずやっていきたいと思っています」
◇  ◇  ◇
被告は窃盗の常習犯・・・それも前科7犯。
内訳は覚せい剤使用に窃盗と、オーソドックスな犯罪パターンである。
それに前回起こした犯行は1年5か月前であるとのこと。
これでは、実刑は免れないであろう。

続く、検察からの被告人質問でこの男のこころの闇が明らかになっていく。

 

燃える涙(後編)へ続く

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