裁判傍聴 ブログ 「ドラマよりもドキュメンタリー」

空いた時間にフラッとプチ傍聴

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傍聴 断酒

アルコールという魔物にはご用心!? -傷害-②

そこそこの緊張感の中で、いよいよ裁判官が入廷した。
顔を見るとこかで見たことがあるような・・・。
よく顔を見てみると、それは「名探偵コナン」である。
裁判官が「コナン」となると、これはいい裁きが期待できるのではないか!?
と勝手に妄想を膨らませるUNICO。

そして開廷。
恒例である宣誓などもスムースに済ませ、
いよいよ検察の起訴状の朗読。
無口そうな職人気質の被告が、一体どんな経緯があって暴挙に出てしまったのか?

起訴状によると、被告は60才男性で、現在は無職。
被告と被害者(被告と同年代の男性)とは近所に住んでおり、以前より「家族ぐるみ」の付き合いをしていた。
いつしか被害者が被告の母親の介護を担うようになっていったとのこと。
そして、普段はおとなしい被告だったが、事件当日は違った。
お酒が入っていたことと被害者から介護について、いろいろと言われたことに、
「カッ」となって殴ってしまい、全治2ヶ月の負傷を負わせたとのことだった。
ここまで聞いて、謎が深まったのはUNICOだけか?

その後の証拠調べで、徐々に複雑な家庭環境が明らかにされていく。
上記の事実に加え、現在家には、被告と寝たきりの被告の母と娘が暮らしている。
そのほかには、上の娘が嫁いでおり、車で1時間圏内のところで暮らしている。
この上の娘と現在同居している下の娘とは異父姉妹。
被告の妻は、恐らく離婚か死別かは不明であるが、現在家には居ない。
下の娘は、未だ学生であり、被告の母の面倒を日常的に見ていたのは、被告であったらしい。
被告の主張も「母の介護は自分がしないといけないので、自分は働きに行けない」とのことだった。
それならば、なぜ被害者が介護をしていたのかといった謎が深まる。

更に証拠調べでは、ラッキョ検事から、被告は以前から酒癖が悪く、被害者が暴行を受けたのは
今回だけではないということをちらつかせてくる。
すかさず国選30年が、「今回は酔ったいきおいで」などと弁明をしているが、
ここまでは明らかにラッキョ検事が優勢。
おいおい国選30年、大丈夫か?

そして国選30年が請求した証人喚問へと進む。
証人として登場したのは、これまた不思議なことに、被告のことをよく知る下の娘ではなく、
嫁いだ上の娘の方だった。
傍聴席には下の娘がいたが、学生という身分ではあったが、証拠能力に乏しい未成年ではない。
更に国選30年、被告が普段穏やかな人柄であり、今回が衝動的だったといった心証づくりのための
質問を、被告の日常を知らない上の娘に投げかけるのである。

UNICOには国選30年の策が見えてこない。
しかし、この証拠人として登場した上の娘は、なかなかの飛び道具を持っていたのである。

「アルコールという魔物にはご用心!? -傷害-③」へ続く