裁判傍聴 ブログ 「ドラマよりもドキュメンタリー」

空いた時間にフラッとプチ傍聴

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生保不正受給

新春詐欺シリーズⅠ ~還暦を迎え、晩生をまっとうに生きるⅢ~

(前回までのあらすじ)
生保をだまし取ろうと企てた会社経営をやっている被告。
ただこの社長さん、弁護人からの被告人質問でも言い訳が多く、
なんて言うか往生際が悪いんだな・・・。だからどんどん突っ込まれている。
そんな自分で自分の首を絞めている社長。続く検察からの被告人質問に、
果たして堪えることができるのか?

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>検察の方に軽々しく話したとありますがそれはどういう意味ですか?
「その時は、礼儀正しくなかったことです」
>その検察の方(●●さん)にも嘘をつきましたね?
「そうなんですよ、申し訳ありません!!」
この回答で少し傍聴席から笑いがこぼれる。
>義弟名義ならばれないと思いましたか?
「はい、申し訳ありません!」
>H23年に義弟に預けたのはやはり不正受給するつもりだったのですか?
「前後左右しますが、そういう気持ちもありました」
話は前後しても左右にはいかないだろう。。。
>義弟には税金逃れと言っていましたがそういうつもりだったのですか?
「はい、申し訳ありません、ただ●●検事に『まっとうに生きよ!』と言われまして、
これで目が覚めまして、心を入れ替えまして・・・正しく申告をしました」
>しかし、そのあとに過少申告していますが?
「過少申告はしていません・・・」
>えっ、していますよね?
「あれ!?そうですかね・・・(生保を)切られると思って・・・あれ!?」
>終わります。

そして、裁判長からの質問が続く。
>一体何のためにお金がほしかったのですか?
「何か、その時の心境と言うのは・・・何でしょうかねぇ、魔が差したというか・・・」
>あなたは金が好きなんですか?
「何か・・・う~ん」と言葉に詰まりはじめる。
>生保問題を知っていますか?
「はい!はい!」となぜか威勢よく返事をする。
>その説明をして下さい。
「労働者が汗水を垂らして働いた税金から出ているもので・・・五体満足の自分が貰うものではなく、
本当にかわいそうな食うや食わずの人たちが国からもらうものですよね」
この回答を聞き、判事はややイラッとしたのかもしれない。語勢が強くなる。
>TVでも問題になっているでしょ!
「野球選手が貰っていたりとか・・・それでもよく分かっていなかったというか・・・」
的外れな回答だ。これで完全に判事の怒りをかった。
>社会問題になっているのに分からなかったじゃないでしょ!
「はい!」と直立不動になる被告。更に判事は続ける。
>欲が強い?
「安易、自己管理、倫理的・・・社会的常識が外れていました。
釈放されてからは頭をさげてばっかりでした・・・今後は常識を身に付けるためにまっとうにいきます」
>20代ならともかく60歳にもなって未だこれから常識を付けないといけないの?
「申し訳ありません!」
ここまで来ると、傍聴席ではとどまらず、裁判長や検察・・・
だけでなく味方であるはずの弁護人までも失笑を浮かべている。

ここまでくれば大したものだ。
新春詐欺シリーズⅣ ~還暦を迎え、晩生をまっとうに生きる~