裁判傍聴 ブログ 「ドラマよりもドキュメンタリー」

空いた時間にフラッとプチ傍聴

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道交法違反 さいば

被害者は語る(中編)

これからはじまる検察からの冒頭陳述を聞くまでは、
双方にとって、厳しい内容だなぁと感じていた。

しかし、冒頭陳述で徐々に今回の事件の全貌が明らかになるにつれて、
太鼓オヤジに対して、違った感情が芽生えてくることとなるのである。
+  +  +
はじめに被告の身上。
被告は東京都出身の48歳。見た感じゆうに60歳を過ぎている印象だ。
今回の事件前まで、新聞配達業を営んでいたとのこと。
被告には妻子があり、これまでに前歴はなし。
事故当日の19時。
被告は、自分が経営する新聞配達業で使用する普通自動車を運転して炉端焼店へ行く。
そこで酎ハイや冷酒を飲んだ。ここで既に道交法違反(飲酒運転)である。
その後、未だ飲み足りなかった被告は、フィリピンパブへ行き、
ブランデーや水割りをそれぞれ2杯程度飲んだあと、
再び同車を運転し、その道中で今回の事件を引き起こしたのだ。
これは頂けない。

そして、被告は事故現場である信号機のない交差点に差し掛かる。
当然手前には一時停止を促す停止線と標識があるはずだ。
それでも酔っぱらっていた被告はそんなことには構わない。
漫然と時速15km程度の速度で交差点に進入し、
その時、散歩途中で一服していた被害者と接触してしまったのだ。

ここまででも被告の行動は決して褒められたものではない。
しかし、この後の被告の行動は飛んでもなかった。
被害者と接触した被告が運転する車。
その際には、後の供述でかなり衝撃があったことが立証されているが、
太鼓オヤジはそのことに気付かず、
接触した衝撃で地面に倒れた被害者を車輪で踏みつけ、
更に被害者を巻き込んだ状態で、110メートルもの距離を引きずったのだ。

この間、太鼓オヤジは気付かずに運転。
その後、更に被害者と接触した地点から538メートル進んだ地点で、
ようやく車の異変に気付いて、車を止めて外に出て確認した被告。
車体には血液が付着していた。
そのことに気付き、酔いの醒めた太鼓オヤジ。
ここからの行動が正気の沙汰ではなかった。

血痕が残っていることをまずいと考え、
電話で妻を呼び出してお金を持ってくるよう指示、
妻から5万円を預かり、そのまま東京まで行く。
そして、車に血痕が残らないように丹念に洗車したのち、
タイヤ4本を交換した。
更にその後は悠々とゴルフなどを楽しんだとのことだった。
・・・ここまで来ると傍聴席で聞いていてただただあきれるばかりである。

 
被害者は語る(後編)へ続く