裁判傍聴 ブログ 「ドラマよりもドキュメンタリー」

空いた時間にフラッとプチ傍聴

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裁判 膨張 ブログ

小さな「詐欺」の詩

詐欺罪(さぎざい)とは・・・
人を欺いて財物を交付させたり、財産上不法の利益を得たりする
(例えば無賃宿泊をする、無賃乗車するなど、本来有償で受ける待遇やサービスを不法に受けること)行為、
または他人にこれを得させる行為を内容とする犯罪のこと。
刑法246条に規定されている。
未遂も罰せられる(250条)(出典WIKI)。

高裁での審理であった。
高裁で審理が執り行われているということは、被告か検察かのどちらかが、
不服申し立てをして、控訴したわけだ。

高裁の広い法廷で、この小柄な男の事件について傍聴する物好きはほぼ居ない。
被告であろう小柄な男は、終始うつむいたままであった。
この一見善良そうな小柄な男はどんな悪事を働いたのか?

控訴審ということで、やや話を端折っていたため雑な経緯になるが、
被告は、被害者8人に対して、儲け話を持ち掛け、計1000万円をだまし取った疑い。
彼を弁護する年配の弁護士からは、被害者8人に対して、既に弁済が済んでいることのみが告げられる。
このやる気のなさからして、明らかに「国選弁護人」であろう。

続けて、高圧的に映る裁判官から被告に向けた質問では、
「本当に悪いと思っているの?」「何でそんなことをしたの?」
「被害者は年金暮らしって知っていたよね、それをだましていいと思っているの?」
と立て続けにまくし立てられ、明らかに圧倒されている被告。
「申し訳ないことをしました」と絞り出すような声で話している。
この様子を見て、単純なUNICOは、
「彼に詐欺ができるのか」と疑ってしまうほどであった。

続きは、次回公判へと持ち越されるようであったが、
前出の「谷絹子」被告とは、同じ罪名で起訴されていても全くタイプが違っていた。
金額の多寡ややり口を問わず、詐欺という犯罪は卑劣であり、罰せられて然るべきである。
ただ同時に谷被告に対しては「やり切っている潔さ」を感じてしまったのも事実である。
これも穿った見方なのであろうが。

 

同じ「窃盗」でも、人が変わればこんなモノ③

前回までのあらすじ
事件を2日前におこしておきながら、面接に行く図太い神経の持ち主である長渕の出来そこないである被告。
またそんな「出来損ない」を必死で庇う「娘に弱みを握られている社長」の証言。
さぁ、いよいよ出番だぞ、日サロ検事!

証拠調べも済んで、日サロが出した求刑は、
「自己中心的な犯行であることから懲役1年が妥当である」と相変わらずの棒読みであった。
更に日サロは、最終質問で弁済金10万円と保釈金150万円について被告に質問を突きつける。
ただ何の計算もできないこのダメ長渕は、これまた堂々と
「祖母の弟から借りました(が何か?)」と答え、
また日サロから、「返済計画は?」と言われても、
「まだ考えていません」と堂々と言ってのける始末。
続く、最終陳述でもこの長渕の出来損ないは、
「短絡的にやってしまったが、証人である社長が駆けつけてくれたこともあるので、
今度は真面目にやらなくてはアカンなと思っています。心を入れ替えて頑張りたいと思う」
と白々とした表情でのたまうではないか。

ここまでで、明らかに実刑を免れたい若葉マークのトウジ弁護士は、
「本人自筆の反省文も提出しており、改心の余地があること、被害者にも10万円の弁済金を支払っていること、
また何よりも心強い証人が居ることなどを勘案して、執行猶予をつけてほしい」
とのことだった。

そして次回判決の日時を終えて、そのまま法廷は終了する。
その後、家族睦まじく被告が一緒にそのまま娑婆へと流れていく姿を見て、
不安がよぎったのは、UNICOだろうか?

判決までは見届けてはいないが、恐らく波平判事は、「執行猶予」をつけただろう。
というのも、被告のこれまでには前はあるものの、窃盗での起訴は今回がはじめてであること、
また、他人に借りているにしても、被害者に弁済金を支払って、一応の決着がついていること、
そして、本人の意図から出たものかどうかはかなり疑わしいが、雇用主である社長が身元引受人になっている
ことなどを総合的に勘案すれば、形骸化しているものの再犯の可能性は低いと判断できるためである。

ただ、UNICO個人の見解ではあるが、被告の以前何度も駐禁で違反金を支払っていたので、
今度から払わなくて済むわと思い、今回の犯行に及んだという短絡的な思考に加えて、
シンナーが車内から出ている時点で、被告がこれを常用している可能性が高いこと、
また保釈金と弁済金を共に祖母の弟に借りて用意したが、この返済計画については
「考えていない」といった返済する気がないこの態度はとことん気に入らない。

ただ証拠主義である裁判の観点からは仕方がないが、どうせまたやるな・・・というのが大方の予想であろう。